猫の肥満を考える② 肥満による病気のリスク~肥満で糖尿病リスクが8倍!?~

猫の肥満はさまざまな病気のリスクを高めます。今回はその中で最も代表的な病気「糖尿病」についてお話ししましょう。糖尿病は一度発症してしまうと、一生付き合っていかなければならず、ほとんどの例では死ぬまで毎日2回の注射が必要になります。しっかりリスクを知って、肥満にならないようにしておきましょう。
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糖尿病とは

糖尿病は、血糖値を下げるためのホルモンである「インスリン」が不足することによって血糖値が下がらなくなってしまう病気です。本来尿には糖分が含まれないのですが、血糖値が上がると尿に糖分が出てきてしまうため「糖尿病」と名付けられています。

糖尿病の罹患率は1万頭当たり11.6頭(0.16%)だと言われています(http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jvim.14618/pdf)。少ないように感じるかもしれませんが、大きな病気としては非常に高い割合です。

人の糖尿病では食餌療法で維持をできる人も多いようですが、猫の糖尿病は進行して見つかるケースが多く、食餌療法だけでは不十分で、毎日2回、お家で飼い主さんが行うインスリン注射が必要になるケースがほとんどです。
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肥満猫の糖尿病リスクは8倍!?

アメリカ獣医栄養学会のLaflamme博士は以下のように語っています。

verweight cats are at least two­fold at risk for becoming diabetic

https://purinaproclub.com/cat/resource-library/pro-club-updates/feline-obesity-can-lead-to-serious-health-conditions-and-shortened-life-span/
肥満の猫が糖尿病に罹患するリスクは最低でも2倍以上高くなる

The risk increases to eightfold in severely obese cats.

https://purinaproclub.com/cat/resource-library/pro-club-updates/feline-obesity-can-lead-to-serious-health-conditions-and-shortened-life-span/
超肥満猫では糖尿病リスクは8倍まで跳ね上がる


猫の肥満が糖尿病を起こす理由

糖尿病が起こるのには大きく2つの原因があります。

1.インスリン抵抗性

1つはインスリン抵抗性。これはインスリンがしっかり分泌されていても血糖値が下がりにくくなる現象で、肥満に伴う炎症が原因の1つだと言われています。肥満になって肥満細胞が肥大化しすぎると、脂肪細胞の一部が壊されてそのDNAが出てきます。そのDNAを処理しようと炎症細胞が集まって脂肪組織に炎症が起こります。インスリンは糖分を脂肪組織に取り込んで血糖値を下げますが、脂肪組織に炎症が起きているとうまく糖を取り込むことができなくなり、結果的に血糖値を下げにくくなるのです。これがインスリン抵抗性です。

このような実験結果も得られています。

A University of Georgia College of Veterinary Medicine study to determine the most beneficial diet for diabetic cats found that for each kilogram (2.2 pounds) increase in weight there was about a 30 percent loss in insulin sensitivity and glucose effectiveness

https://purinaproclub.com/cat/resource-library/pro-club-updates/feline-obesity-can-lead-to-serious-health-conditions-and-shortened-life-span/
ジョージア大学の獣医学部は、猫の体重が1㎏増えるごとにインスリン感受性と糖代謝抑制効果が30%ずつ低下することを発見した。

インスリン感受性も糖代謝抑制効果もどちらも血糖値を低下させるために重要であり、その両方が落ちるということはインスリン抵抗性が高くなるということです。

2.インスリン分泌の低下

もう1つは膵臓からのインスリン分泌の低下です。インスリンを産生しているのは膵臓ですが、このすい臓からのインスリン分泌も、肥満によって低下します。肥満は慢性膵炎のリスクファクターであり、猫では無症状の慢性膵炎が非常に多いことがわかっています。そして慢性膵炎では、膵臓のダメージが長期間にわたって起こり、その結果、インスリンを作る能力が低下してしまうのです。
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まとめ

肥満と糖尿病の関係は以下のようにまとめられます。

The link between obesity and diabetes is well-established. In general, obesity is associated with increased oxidative stress and increased inflammatory markers, both which can contribute to changes such as insulin resistance and diabetes

https://purinaproclub.com/cat/resource-library/pro-club-updates/feline-obesity-can-lead-to-serious-health-conditions-and-shortened-life-span/
肥満と糖尿病には明確な関連性がある。一般的に肥満は酸化ストレスと炎症マーカーを増加させるが、そのどちらもインスリン抵抗性と糖尿病の発生に関与する。

一生インスリンの注射が必要になる糖尿病。猫の糖尿病は猫自身も飼い主さんも、どちらのQOL(生活の質)も下げてしまいます。最大8倍にもなる糖尿病のリスクを減らすため、しっかりダイエットをしておきましょう。
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