猫の肥満を考える③ 放置すると致死率90%以上の怖い病気「肝リピドーシス」って何で肥満猫に起こる?

肝リピドーシスは肥満猫の代表的な病気であり、死亡率が非常に高い怖い病気です。「肥満猫がご飯を食べなくなると肝リピドーシスになる」と言われていますが、なぜご飯を食べないと肝臓に脂肪がたまるのかよくわからない人も多いと思います。そんな肝リピドーシスについて知っておきましょう。

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肝リピドーシスとは

肝リピドーシスは、肝臓に脂肪がたまってしまう病気で、脂肪肝と同じような意味で使われます。ただし、猫の肝リピドーシスというと急性の脂肪肝を指すことが多いです。肝臓に脂肪がたまることで、急性の肝不全を起こすのが肝リピドーシスなんですね。

肝リピドーシスが起こるメカニズム

人も猫も体を動かすエネルギーは基本的には食事からとっています。食事からとるエネルギーが不足すると、肝臓のグリコーゲン(糖分の貯蓄)や筋肉などを分解してエネルギーを作ります。これを行っているうちは特に問題は起こりません。

しかし、1~2日ご飯を食べない状態になると、体の脂肪が分解されてエネルギーを作ります。分解された脂肪は肝臓で処理されてエネルギーに変えられますが、肥満の猫では肝臓の処理能力を超える脂肪が一気に分解されて、肝臓に脂肪がどんどんたまってしまいます。この脂肪が異常にたまりすぎてしまうと、肝リピドーシスを起こしてしまいます。

肝リピドーシスの症状

肝リピドーシスは、それが起こる前に数日間の食欲不振があることが多いです。その食欲不振の原因は胃腸炎や膵炎、どこかの痛みなど様々です。

肝リピドーシスを起こすと以下のような症状を起こします。
・食欲廃絶
・元気消失
・黄疸(尿が黄色い・白目が黄色い)
・嘔吐
・腹痛

肝リピドーシスの診断

肝リピドーシスは症状と経過、血液検査、超音波検査所見などを総合して診断します。
・急性肝炎
・胆嚢炎
・急性膵炎
・中毒
・腸閉塞(異物・腸重積)
等も同じような症状や検査所見が出ますので、肝リピドーシスとの鑑別が必要になります。

肝リピドーシスの治療

肝リピドーシスの治療は
・点滴による脱水の改善や肝臓の保護
・肝臓の薬
・鎮痛剤
・制吐剤
等による治療行ないますが、最も大切なのは無理にでも食べさせることです。メカニズムの項でお話した通り、ご飯で栄養を取らないと、脂肪の分解が止まらず、肝臓の負担が続いてしまいます。

そのため、しっかり薬で吐き気を抑え、無理にでも食べさせないといけません。強制給餌を嫌がる猫であれば、鼻カテーテルや食道チューブ、胃瘻チューブなどを設置してフードを食べさせる必要があります。

肝リピドーシスの予後

肝リピドーシスは、重症度と初期治療までの時間によって回復できるかどうかが大きく変わってきます。無治療では致死率はなんと90%以上だと言われています。一方で、チューブなどを使ってフードの給餌を行うなど積極的な治療をすると、その致死率は30%以下になるといわれています。それでも3割の子は亡くなってしまう怖い病気です。

ただし、何とか最初の数日~1週間を乗り切ることができると、完治できる可能性はかなり高くなります。そして、完治してしまえば普通の生活を送ることができます。
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肝リピドーシスの予防

肝リピドーシスの最も大切な予防方法は太らせないことです。愛猫が肥満であれば少しずつダイエットをするようにしましょう。ただし、急激なダイエットは、それ自体が肝リピドーシスの原因になってしまうので、ゆっくりダイエットをするようにしましょう。

また、肥満の猫は1日以上の絶食は非常に危険です。普通の成猫は1日フードを食べなくても問題ありませんが、肥満の猫は1日食べないだけでも早めに病院へ行って原因を探ってもらったり治療をしてもらう必要があります。肝リピドーシスは予防も大切ですが、早期治療も非常に重要です。

まとめ

肥満猫に特徴的な病気である肝リピドーシス。突然発症し、治療のかいなく数日で亡くなってしまうこともあります。肥満の猫はできるだけダイエットするとともに、特に食欲不振には注意しておいてくださいね。
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